人生楽しいことばかり

に、したい人のつぶやき

ウエアハウス@アトリエファンファーレ高円寺

ウエアハウス見てきました。怖い怖いと聞いていたんですが、本当に怖かった……

 

緊張感と違和感と居心地の悪さでとにかく濃密な一時間半でした。いい意味でとても長く感じたというか、怖いお化け屋敷でゴールを探す感覚に近いかな。正直まだ内容を何一つ嚙み砕けた気がしないんですが、何か書く前に他の方の感想を読んでしまうと上書きされてしまいそうなくらいに自信がないので覚え書程度に感想メモります。ネタバレもりもりなのでまだご覧になってない方はご注意ください。

 

興味があるけど迷ってる!って方はこちらの方の記事おすすめです。

tmmrrw.hatenablog.com

 

舞台は近々解体される予定の教会。エノモトがそこで暗誦サークルの練習をしていると、シタラという男が入ってくるところから物語は始まります。二人は他愛ない会話からお互いの話をしていくのだけど、その会話はところどころ嚙み合わない。噛み合わないというよりは、不気味な違和感を覚えさせる。当たり障りない言葉で無難な会話をしようとするエノモトと、そのエノモトの社交辞令や会話上の「盛り」を額面通りに受け取るシタラ。そして区役所職員のテヅカ。世渡り上手で口の上手いテヅカにしてやられてしまったエノモトは、テヅカが悪印象を持ったシタラに一時理解を示します。しかしシタラと話すうちにシタラの狂気に気付いたエノモトは……というような内容なんですが、あれ?こんな話だったっけ?と自分で書いていても思う。この話ってわかりやすい起承転結的な流れがないんですよね。最後の場面を除いて全体の流れがすごくフラットというか。

 

一回観ただけではとにかく何もわからない。暗誦の元ネタとかわかるとヒントになるんですかね?勉強不足で暗誦の元ネタもわからないし、円周率が合っているのかすらもわからなかった。合っているらしいけど、あそこで円周率が合っていなかったのに堂々と言ってのけたんだとしたらまたシタラというキャラクターが変わっていたのではなんて思うんですが。どうかな。

 

最初に暗がりの部屋にいたのはシタラですよね。何かを理解するためにはというようなことを言っていたような気がするけど自信がない。だとしたらシタラは自分を理解してくれる相手を探しているってことになるのかな。でももう一ひねりされていてもおかしくないし、そこはあえてそのストレートさがいいような気もするし。理解を求めていたんだとしたら自分に興味があるってエノモトに言われて嬉しいなあって返してたシタラめちゃくちゃかわいいなって話になる。でも理解を求めるあまり一般的には相手が聞きたいと思わない部分まで話しすぎてしまって、拒否られて、最後には自分を殺させるという手段に出てまで相手と関わろうとしたのにそれもかなわず一人絶望して出ていった……って解釈になってしまうがそれでいいのかって気になる。というのも、最後のエノモトがテヅカに英語で話しかける理由がさっぱりわからなくて。シタラは英語で話しかけるのは自分に興味を持ってくれているかを知るためだって言ってたっけ?だとしたらエノモトはテヅカに自分を都合よく利用するためのコマだと思っているのかを問いかけているとか。うーん、自分で書いていてピンとくるような来ないような。そもそもあの場面は当日なんですかね?後日だとは思うんですが、一回帰ってあの状態でまた教会に訪れるエノモトの心理状態がすごく気になります。

 

テヅカという役の配置が本当にすごいなと思うんですよ。いかにもこういう人いるいる!な感じで、すごく愛想のいい感じとか、会話のマウントの取り方とか、その場にいない一人を下げて他の人の共感を誘おうとする感じとか。いやらしいけどすごくわかるんですよね……たぶん一般的な人はエノモトとテヅカを足して二で割った感じなんじゃないかなとか思います。

 

最初はシタラは本当に犬を殺したのかとも思いましたが、さすがにそこまで仕込みをするようなキャラには見えないしあそこは本当に殺してるのかなあ。あるいは逃走中の通り魔がシタラっていう可能性もあるんですかね。それはさすがにないかな。出版関係っていってたからあの舞台は神保町付近?千代田区と練馬区ってそんなに遠いですかね……郊外民からすればすぐ近くに思えてしまうけど、電車乗らなければそこそこの距離はあるかな。どうだろう。でも作中もそれらしい場面あったけど、たとえ通り魔じゃなくてもシタラみたいなのに住所握られてるってめちゃくちゃ怖い。

 

自分で言うのもなんですがわからないしか書いてませんね……でも面白かったんですよ。一時間心臓を握られてる感じで怖かったですけど!鈴木勝秀さんの演出初めて見たんですが、ほかの作品もこういうテイストなのかな。すごく興味がわきました。


追記

テヅカが神経質にスマホの画面を拭くところ、印象的だった。あとシタラがスマホを持っていないって答えた後のエノモトとテヅカの反応の対比が興味深い。